2008-01-01から1年間の記事一覧

Unser taglich Brot/Our Dairy Bread*1

去年日本でも少し話題になった映画『いのちの食べ方』をちょうど地元で放映してくれたので見てきました。ナレーション、キャプション一切無しで、ヨーロッパのどこかの農場や屠殺場で農産物や畜産物がいかにして食糧になっていくかをじっと追っていく映画で…

日本語版ウィキペディア自体にもすでに歴史がある

某所で勢いで書いてしまったことの再放送プラスアルファご無礼。 ウィキペディアの功績を簡潔に答えよと言われれば、インターネットの大衆化によって21世紀はじめに起こった知の氾濫と混沌を真っ先に引き受けたことなんでしょう。ウィキペディアがそのシステ…

怒りの表明と母校野球部敗退

この通り魔め、よくも歴史を学ぶ後輩を殺してくれた*1な!強い怒りと悲しみを覚えます*2。秋葉原の件といい、最近の通り魔といい、こちらが覚悟もできないまま突然痛い目に遭わされることが起きる世の中ですね。戦死とか、伝染病などによる病死、事故死など…

(ちょっとだけ)ブログ通信簿

どうも、ブログ通信簿*1で54歳女性扱いされたAboshiです。私って文面が女性くさくて、しかもおばちゃんくさいのかしら?それはさておき、ただいま中国古代史の研究者だった楊寛(1914-2005)の自伝『歴史激流 楊寛自伝―ある歴史学者の軌跡』(西嶋定生監訳、…

おまけ

小野田先生が亡くなったことについてネットで探しても、1件しか出てこなかった。しかも同じ田原市民っぽいなあ*1。ちょっとどなたか気になりました。 *1:http://d.hatena.ne.jp/PANALI/20080704

郷土歴史家が亡くなる

7月4日、地元の歴史研究家であった小野田勝一氏が亡くなりました。平安から鎌倉時代にかけて渥美半島で生産された渥美焼*1の遺構の発掘や地道な編年作業に当たり、行政でも旧渥美郡三町の文化財保護審議会の委員を務め、数々のアドバイスなどしてきた方で…

おまけ(7/20加筆)

前項でも言及しましたが、愛国・親靖国な集会に乱入して靖国神社への批判をわめいた2人の青年がいました。彼らは集会の参加者にすごまれて袋叩きにあうとともに靖国の外まで追っ払われるのですが、到着した警察(と救急隊員)は青年らを救急車に無理やり乗…

映画『靖国 YASUKUNI』を観る

ボイコットその他で話題になっていた中国人李纓氏(1963-)監督によるドキュメンタリー映画『靖国 YASUKUNI』を観てきました。油断して時間ぎりぎりに行ったところ、なんと人がわんさと押し掛けていて、映画は立ち見*1。2時間立ちっぱなしはなかなかにしん…

コンクリ兵士像が渥美半島にもあった!

正月明けのブログ*1で紹介したことの続きです。 日中戦争の初期・上海攻略戦で名古屋の歩兵第六連隊に連隊長含めて数百人の戦死者が出た。目的は不明ながら、まず部下が連隊長のコンクリ兵士像を作り、さらに兵士の遺族らが1mくらいのコンクリ兵士像を建て…

日帰り京都で

久々に日帰りで京都に行ってきました。というのも、3月に京都に行こうとして、仕事が入って行きそびれたのだが、そのとき買った切符の期限が今日だったあ!というしょぼい理由により。 どうせなので、前日の太子信仰のこともあったので今回は嵯峨野線花園で…

追伸

http://pcc.karpan.net/diary/200806112355.html karpan氏の日記より。なるほど、ギリシア神話にも孫がなかなか出てこない、のか。 >孫をかはいがるといふことが、どのやうに成立していつたのか――そして、それがどのやうに普遍的な愛のかたちのひとつに變化…

【たわごと】孫(まご)の歴史

(根本的に誤った部分や、言い足りない部分があったので直しています。ごめんなさい) 仕事中、目的地に向かう車の中でふと同僚と雑談になり、「孫(まご)って本当にかわいがられますよね」という話題になり、「きっと孫をかわいがっちゃうってのは、ヒトの…

今日のたわごと(おかあさんキャラについて)

『蒼天航路』はその成功の半分以上を夏侯惇のキャラクター(曹操のおかあさん)に負っている(と断言)。あのキャラの系譜はどこから来てるのかしらと記憶をたぐると、ああ、『ルパン三世』の次元がまずはそうか。過去の作品のどこまでたぐっていけるかしら。

再度「三河念仏の源流」展を見る

今日は再度、岡崎市美術博物館*1に行って、前回見ただけではよくわからなかった「三河念仏の源流」展を見て、さらに一緒にその日行われたシンポジウム「三河念仏の響き」を聞いてきました。シンポジウムは演題のとおりローカルな内容を期待していたのですが…

補足(5/15)

中国政府は日本の救援部隊を受け入れることにしたようですね。遅きに失してはいますが、よくぞ決断されたと思います。ちょっと別の角度からいえば、隣国の政治指導者がミャンマー軍事政権のような本当に非道な連中ではないとわかっただけでもほっとします*1。…

四川省の地震

まずは、四川省の地震で亡くなられた多くの方にお悔やみ申し上げます。また、未だに建物の下に埋まっている方の一刻も早い救出をお祈りします。 さて、今回の地震の被災地には成都・都江堰・綿竹・江油・剣閣と中国史好き、特に三国志好きには聞き覚えのある…

た・わ・ご・と(はあと)

大学で中国史をやったなどととても言えないことを強く痛感しまくりのAboshiです。大事なことを何も知ろうとしなかったんだなあと(未だに大事なことが何かなんて分かってりゃしませんが)。 それはさておくのかおかないのかよくわからない話題ですが、「チベ…

長野に野次馬の旅

長野のオリンピックの聖火リレー。いろんな意味で歴史が見られると思い、いてもたってもいられず行ってきました。漢族留学生の数の多さと、無邪気さと勢いと、チベット擁護派のセンチメンタルさ加減がかなり印象に残りました。逆にいえば、日本の若者どもが…

カザフスタン映画『モンゴル』を観る

カザフスタン映画の『モンゴル』を観てきました。中国系モンゴル映画や、しょうもない角川映画などと比べても、モンゴルという雰囲気(あくまで私の思いこむ雰囲気にすぎないが)は歴然としてよかったですね。おそらく歴史的に解明しようのない若いころのチ…

ひさびさの追試

高校の定期テスト。私は地理と保健体育で赤点をとってしまった。得意な社会の一教科*1で赤点だったことにショックを受けながら、早速保健体育の追試を受けた。席に座り、渡された問題用紙を開くと、わら半紙の上部に横書きで、たったこれだけの内容が書いて…

「実録・あさま山荘事件」はどこまでメジャーになるかしら

ええ、まずは表題と関係なく私の母校、成章高校の野球部が甲子園で健闘したことを心から讃えます(というのもなんだが)。試合中はテレビから流れる音をかすかに聞くことしかできませんでしたが、少し目頭が熱くなるものがありました(高校時代は帰宅部のく…

お詫びと訂正(概略)

曽国藩と白川先生の言葉について、18年12月に日記に書き*1、さらに昨日新たにまとめましたが、大間違いをしておりました。文章を書きうつし間違えていました。 誤「有恒『財』断無不成之事。此三者欠一不可」 正「有恒『則』断無不成之事。此三者欠一不可」 …

おまけ 曽国藩の言いたかったことと白川静の解釈

(以下の3は大間違いです。まことにすいません) 蛇足もいいところだが、曽国藩の文章から私なりに読み取れる意図と、白川先生の解釈を並べてみました。 1 志 曽国藩「士大夫として正しい心がけを忘れずに学問せよ」 白川静「自らが進んでいく道を定めよ」…

佳き言葉は受け継がれ、解釈は変わりつつも生き続ける

かなり前のことだが、平成18年12月にあった白川静先生のお別れ会で、先生をふりかえるスライドに「志有るを要す、識有るを要す、恒有るを要す」が登場したことを受けて、この出典に当たってみたことがあります*1。私は白川先生が曽国藩のこういった考えその…

総括?

未だに若松孝二監督の映画『実録 連合赤軍 あさま山荘への道程』が焼き付いているAboshiですが、そういえば「総括」を私も受けたことがあります。 といっても、罵倒やリンチを受けたわけではなく、大学のサークルの年二度の反省会を総括といってました。私は…

あさま山荘事件から36年

若松孝二監督の『実録 連合赤軍 あさま山荘への道程』を見たショックが未だかなり残っているAboshiです。 今日はあさま山荘事件が警察の突入によってついに終結した日だそうです。訓練と称して山中にこもった29人の連合赤軍が、残酷極まりない総括を繰り広げ…

あさま山荘事件を描く

ええと、表題だと佐々淳行原作・役所広司主演の『突入せよ! あさま山荘事件』のことかと思われるかもしれないが、そうではなく、現在は名古屋で単館上映されている『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程*1』のお話。 『突入せよ! あさま山荘事件』は警察が連…

参考文献「ウィキペディア」がまかりとおる

残業して、家に帰って、めし食いながら報道ステーションを見てたら、国土交通省が公益法人「国際建設技術協会」に委託して9200万円で作らせた資料が、ウィキペディアのまる写し満載など、でたらめ、テキトーなつくり…*1。民主党の国会議員が、「大学生のレポ…

「考古学は地域に勇気を与える」

表題は考古学の大御所、森浩一*1先生のもの。昨日、諏訪原城跡からの帰りの電車で同氏の『地域学のすすめ - 考古学からの提言』*2を読んでいて、目が点になってしまった。 いや、私の理解レベルが低いかもしれないが、あたりまえといえばそうかもしれない。…

中世城郭マニア垂涎の城

さきごろウィキペディアで記事名でもめた、静岡県島田市菊川の諏訪原城跡に久々に行ってきました。JR金谷駅から旧東海道を30分くらい歩くと着きます。 この城跡でよくいわれるのは、ここを楽しめるようになれば、日本の城マニアを名乗る資格ができるようにな…