武豊線でタブレット授受を見る

タブレット閉塞方式が見たくなり、愛知県内唯一それを見ることができる武豊線東浦駅と東成岩駅に行ってきました。
いえいえ、最近業務上(?)鉄道に詳しい方に接する機会が多いのですが、私の鉄道マニア度などたかが知れています。今日も「見たくなった」ので、YouTubeで列車の時刻を調べて、コンパクトデジカメを持って行っただけですから。
あ、一応解説しておくと武豊線タブレット閉塞方式をいまさらやっているわけではありません*1武豊線とレールがつながっている貨物専用鉄道である衣浦臨海鉄道の碧南線、半田線がタブレット閉塞を採用しているため、接続駅の東浦駅や東成岩駅で見ることができるのです。
このタブレット閉塞方式は要は「タブレット」を持っている列車のみが定められた区間を走ることができるというわかりやすい安全の守り方。以前は日本中のローカル線で見ることができたのですが、タブレットの受け渡しや管理に人手がちょっと必要なので、自動閉塞方式(要は信号による列車の出入の管理)に置き換わっていったものです。
それはさておき、14時過ぎ東浦駅。ん?駅の待合室に立派な一眼レフをお持ちの男性が。こんな月曜日に「同業者」がいるんだ!すげえな、タブレット。ただ、見たところ20代後半の青年で、服装がカッターにこの暑いのにネクタイで容貌も含めてよくまとまった感じでマニア臭があまりしない。出張の途中とかかな。
14時30分、対象の列車が来るまで6分。ようつべの動画を見ながら撮影ポイントを探ると、青年が声をかけてきた。「タブレットを撮影されるんですよね」「ええ」「でしたら、正面から撮影するといやがる係りの方もいるんで、声をかけておいたほうがよいですよ」
ほお、そういうことをしたことがなかったが、仁義があるわけだ。まもなくタブレット授受をする係の人が駅の事務室から出てくる。私が声をかける間もなく、青年は係の人に「撮影させてもらってもよろしいですか?」と声をかけ、承諾を得る。そして貨物列車が通過、タブレット収受完了。
最近、新聞記事で鉄道マニア(特に撮り鉄)の無法が話題になる。記事を読んでいると、鉄道マニア同士の人間関係が以前ほどなくなり、上の世代から下の世代に引き継がれなくなったものがあるなどというのを見たが、今日見た青年は立派でした。私はビギナーな年長者だが、なるほど勉強させてもらったよ。撮影後に一言お礼を言っておきました。
なお、添付した写真はその東浦駅ではなくその後撮影した東成岩駅のものです。初回はやはりうまくいかんもんで。

*1:武豊線は単線非電化路線。長年並行する名鉄河和線の後塵を拝してきたが、能力の高い気動車キハ75)を回したり、を来年春には全線電化をするなどJR東海はまずまずテコ入れを行っている