いろいろなうんちゃらセントリズム

ところで、○○セントリズムと名乗る用語にはほかにどんなものがあるのか、「セントリズム」でググってみました。

  1. クロノセントリズム ある時代における人類の有様をどんな過去や未来よりも絶対視すること*1
  2. アフロセントリズム アフリカ至上主義?神戸大学の安岡正晴先生の講義のレジュメらしきものを読むと(http://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/staff/yasuoka/WWW/amesha20021114.htm)、アメリカの学者、モレフィ・アサンテやレナード・ジェフリーズの作りだした概念であり、「アフロセントリックなアプローチとは、どんな状況でも常にアフリカの人々を正しく中心に据えようとする。中心的とは、排他的概念ではなく、自己を自己の文化的準拠枠において理解することであり、そうすることによって自己の文化と他者の文化の関連付けを可能にする概念である。教育においては、教師が生徒に世界とその人々や概念や歴史についてアフリカの観点から学ぶ機会を与えることである。」だそうです(まる写しすいません)。なるほど、40年ほど前に『ルーツ』なんて本がベストセラーになったが、自分のよってたつものを作ってこそ「関係」性も芽生える、と。
  3. エゴセントリズム 広島県福山市の居酒屋や、バンドの名前で引っ掛かってくる。「自分至上主義」ってか?ただしテクニカルタームじゃないみたい。
  4. ファロセントリズム 男根主義、男性優位主義。そういう用語もあるのね。
  5. シノセントリズム なんのことはない、中華思想のこと。中華思想がえらく近代ナショナリズムの親戚みたいな響きに聞こえるねえ。これを敷衍すると、「ヤマトセントリズム(日本中心主義=国粋主義)」とか、「UNセントリズム(国連中心主義)」とかあるのかしら。
  6. ユーロセントリズム これは19世紀から20世紀初頭に流行したヨーロッパ至上思想。
  7. エコセントリズム 生態中心主義。英語版ウィキペディアを読む限りでは生物圏*2を死守する活動?なのかしら。環境テロなんかもこのあたりが淵源なのでしょうか。近似したものに「バイオセントリズム」なんてのもあるそうで。
  8. ロゴセントリズム はい?ジャック・デリダ脱構築の世界のようですが、私にはさっぱり…

ちょっと私自身は面白かったが、いらない蛇足でした。しかしまあいろいろありますねえ。相対主義なんかより、意外にこういうなんたら至上主義のほうが21世紀を救ったりするかもしれませんね。

*1:英語版ウィキペディアhttp://en.wikipedia.org/wiki/Chronocentrism)などより。ネットの英語をへたくそに読む限りではハンガリー生まれでアメリカで活躍した人口人類学のパイオニア、Steven Polger(1931-78)の造語らしい。ついでながら、クロノってギリシア語で「時代」なんですね。とすると、一昔前にはやったゲーム「クロノ・トリガー」ってのは「時代の引き金」てな造語なわけか。ちょっとかっこいいな

*2:生態学用語で、生物が活動できる領域のこと。とはいえ生物が活動できる領域とは、10,000メートルの深海から、火山のへり、果ては成層圏も含んでるわけで、その範囲は地球の相当の部分に及びます