擬人化は日本人の特技らしいが?

先日、東京に行ったついでに厚木に出て、厚木市子ども博物館*1プラネタリウムを見てきました。目的はここのプラネタリウムで、この6月13日に地球に帰ってきた探査機「はやぶさ」の映画*2が観られるというので、ちょっと興味を持って。
厚木市子ども博物館は7階建てのスーパーやら図書館のある複合建築物の7階(いやー、東京近郊って感じ)。プラネタリウムは、ちょっと小規模な感じだが*3、まあ都市規模相応*4で、「子ども」向けと思えばこんなものかな。いやいや、理系情操教育(?)の施設はどこの町にもひとつはほしいですよね。田舎はこういうのがどうにも弱いが、難しいなあ(とじっと手を見る)。
さて、映画の内容と言えば探査機「はやぶさ」が地球を飛び立ち、小惑星イトカワ」に着陸後、数々の苦難を乗り越えて地球に帰ってくるまでの道のりを素晴らしいCGとともに伝えるものだった。なるほど、エネルギーの消費を抑えるために、太陽光発電やら、地球引力と公転運動を利用したスウィング・バイなんかを利用してるのか。スウィング・バイなんて某小説でシュタインメッツ艦隊が使った*5くらいの記憶しかなかったが、実際にやるんだな、とちょっとおバカな感想。
それはさておき、映画で一貫していたのは探査機「はやぶさ」の擬人化。ナレーション(CV:篠田三郎)は二人称「きみ」で呼び掛ける。機器が不調でも、「イトカワ」着陸後にダメージを受けても、JAXAとの通信が途絶しても、ナレーターははやぶさに熱心に呼び掛け、はげまし、ほめたたえる。まあ、機械擬人化の最先進国日本。この感覚の問題は一神教と八百の神の差異とかまでさかのぼるらしいが、よくわからないので省略。ただ、機械をあまりに擬人化して語るのには違和感を感じなくもなかったと極度の文系野郎が言ってみる。客席を見れば、子供たちよりもおとうさんや、大学生たちのほうが感動したようだったが(そういう私もちょっと涙腺が緩みました)。ちなみに私が観たのは平日だが、その割にはお客さんは多く、2/3くらいの席が埋まっていました。
映画鑑賞後、下の階の「はやぶさ」のパネル展示を見ました。こっちは少し理系チックというか、普通の紹介。まあ、「感動の」物語を観た後に、こちらを見るというのはいいかもしれない。

*1:http://www.city.atsugi.kanagawa.jp/acsc/ 正しくは「神奈川工科大学」が冒頭に来るようだが、ただのネーミングライツらしい。なんかややこしいな

*2:http://hayabusa-movie.jp/ 今確認したら、豊田市のとよた科学体験館でも観れたのか。しまった、せっかくの東京なのだから鉄道博物館とか行けばよかった…

*3:私が子どもの頃好きだった名古屋市科学館プラネタリウムが基準になっているせいかも

*4:厚木市の人口は約23万人。

*5:厳密に言うと実際に使われたのは小説版ではなくアニメ版の『銀河英雄伝説』(確認しました)。自由惑星同盟軍のヤン艦隊の半包囲を食らった銀河帝国軍のシュタインメッツ提督率いる艦隊は、包囲からの脱出に艦隊後方のブラックホールの強力な重力磁場を利用した。以上、書いてしまったからには解説するが、ちょっとこっぱずかしい