あんのういもをググってみる

午後7時前くらい。田原市の東端・やぐま台の住宅地(といっても田舎だが)の道を歩いていると、前に石焼きいもの軽トラが拡声器で呼ばわっている。
「焼きいもー、焼いもー、石やーきいも、おいもだよ」
田舎の夜は早く、誰ひとりとして家から外に出るものもいないまま、軽トラはとぼとぼと暗い道を進んでいき、歩いている私は車を抜き去った。私が抜き去った後も石焼きいも屋は呼ばわっていたが、ふと気になるフレーズ。
「大人気の『あんのういも』はシーズンが終わってしまいましたが、それに負けないクリーミーでおいしいいもをご用意いたしました」
へ?あんのういもって何?気になったので帰ってからググりました。まず種子島U・Iターンサポートセンター&マイマイ企画さんのページ*1より。
「安納芋とは、紫芋と共に種子島の芋を代表する甘藷。高水分で、焼くとまるでクリームのようにネットリとした食感、生の状態で16度にもなる糖度で人気が非常に高まってきた。時間をかけて上手に焼くと糖度が40度前後にもなる。(中略)安納にある鹿児島県農業試験場において種苗選抜という方法で改良されたものを改めて「安納」の名前を冠して命名された。(元になった芋は古くからあった。) メディアなどでは時折「幻の〜」などと紹介されるが、種子島では年に数千トンも生産される人気品種。ただ、やはり工業用甘藷よりは、栽培や収穫後の扱いが難しく単位面積あたりの収量も少ない」
種子島のサツマイモなんですね。なるほど、石焼きいも屋の「クリーミー」ってアピールポイントもそのまんまなわけか。なお、「安納」は地図で探すと種子島の北部・西之表市の東岸にあります。また、ページによると鹿屋・頴娃などの鹿児島本土や、宮崎県などでも人気にあやかって安納いもを作りだしたことを「品質が下がる!」と危惧しています。
次に白ハト食品なるサツマイモ菓子やたこ焼きの店チェーン店を出している会社のページ*2には、2007年10月に三越銀座店が安納いもを売り出したところ、大人気だったことが書いてある。それまでは「種子島の中だけにひっそりと息づいて」いたらしい。「安納いも」でググると山のように検索結果が出たのでついぞブランドいもかと思ったら、最近のブームだったのか。全然知らなかったな。
…なんかすごく食べたくなってきた。うかつにも安納いもの宣伝のような内容だが、これはうまそうだ。とはいえ、石焼きいも屋の言うように、現在はシーズンじゃないのか。ちょっと残念。