2009年の「翼をください」

…むっ、しばらく書いていないうちに自分のブログがスパムに汚染されているではないか!*1最近「書く」という作業がややうっとおしくなっていて、どうもすいません。
さて、ついでなのでちょっと気になった話を。名古屋・大須のあたりの人どおりのやや少ない路地を歩いていると、私の数メートル前を歩いている若い男性(20歳過ぎくらいかな)の鼻歌が洩れ聞こえてきた。音がやや不安定にしか聞こえないが、かなり気になって前の男性との距離を守りながら鼻歌を聞きとっていると、「翼をください」じゃないか。なんだ、いまどき?小中学生くらいなら音楽の授業や合唱コンクールのネタにもなろうが、「翼をください」がこの2009年夏にどこかで流行してるのか?
一応整理しておくと、「翼をください」はフォークソンググループ「赤い鳥」が昭和46年(1971年)2月5日に発表したレコードのB面*2。発表の時期とフォークグループということからわかるように、ベトナム反戦運動の中で生まれた曲である。その後音楽の教科書にほおり込んで子供向けの音楽となったわけですが、いま、この曲がどっかで使われているとすれば…派遣労働者の運動とかですか?
家に帰ってググったりニコ動を見たら、なんのことはない。「大須を歩く20歳過ぎの青年」が歌いそうな候補は2つ見つかったのですが、ちょっとがっくり。

  1. けいおん!』…かきふらい氏による4コマ漫画。月刊4コマ漫画誌まんがタイムきらら』掲載。高校の廃部寸前の軽音楽部で奮闘するガールズバンドを描く。今年4月にアニメ化もされている。この中で使用されている。
  2. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』…現在劇場公開されている新映画版『エヴァンゲリオン』。

ええと、どちらも私は作品そのものは未見ですが*3、作品中の演奏はニコ動で確認しました*4。『けいおん!』はその表題のとおりポップな曲風で、音楽の教科書の延長上といったところでしょうか。一方、『エヴァ』がわからない。旧作『エヴァ』で使われてはいなかったし(第九やらカルミナ・ブラーナやら、「鬼面人を威す」な選曲だった記憶はありますが)、ニコ動で聞く限りでは、劇中で綾波レイの声優をしている林原めぐみ*5の素朴な、またはへたくそな歌声(音が不安定だったり、下に外れてコーラスと不協和音をかもしだしていたり)。ウィキペディアを見る限りでは、林原はプロの歌手だそうで、あんなへたくそではないんじゃないの?ニコ動のコメントでは「林原が綾波レイになりきって歌っている」とあったが、どういう場面でそうなるのよ?ちなみに、ニコ動の動画中には「今日の日はさようなら」*6が一緒に入っていて、これまた林原が歌っているのだが、やっぱり下手。
あああ、わからん。しかも気になる。どう使ってやがるんだ。私の中のエヴァは12年前の大学1年生のとき、京都・四条大宮の映画館で同じ学科の友人と見に行った旧エヴァの完結版で終結しており(エンディングはアニメ中では私の最も好きなものです)、妙なリメイクがあるという新エヴァは正直観たくないと思っていたのだが、結構観に行きたくなってしまったぞ。うう、「大須を歩く20歳過ぎの青年」のバカ!
で、お気づきかもしれませんがもう観にいってしまいましたよ。我慢できずに。感想としては、「おお、すげえ」という驚き半分、「おれの青春を還せ!」という嘆き半分といったところでしょうか。またそのうち書きます。えい、ちくしょう。

*1:駆除済みですが、ご迷惑をおかけしました

*2:A面は「竹田の子守唄」。「竹田の子守唄」は京都・竹田の被差別部落で採取した民謡を尾上和彦が編曲したもの(同種の子守唄は京都・大阪の広い範囲で点在)。この両曲がカップリングされたレコードは3年間をかけてミリオンセラーとなるものの、放送局が被差別部落がらみの音楽を敬遠して、半ば封印を食らった(以上、ウィキペディアより)

*3:テレビ放送され、1997年に映画かされた旧作版の『エヴァ』は見ています。

*4:明確な著作権違反なので、どこにあるとは書きません。

*5:なぜ林原とわかったかといえば、動画の投稿者がそれとわかるように明示してたからです

*6:森山良子が昭和41年(1966年)に発表した曲。日本中で慣れ親しまれた曲であり、ボーイスカウトのスカウトソングとなっている