サティか!

イカル系スーパーの話ではなく、インドの寡婦殉死の話。インドのことを知っている人には驚くには当たらないのかもしれないが、ちょっとぞくっとしたので。

インドのチャッティスガル州にある村で、71歳の女性が現在では禁止されている古い慣習にのっとって夫の火葬中に炎に身を投げ、自殺するという出来事があった。警察が12日に発表した。
 この女性は11日、会葬者が火葬場を去った後に炎に身を投げた。貞節な妻を意味する「サティ」と呼ばれるこの慣習は、英植民地時代の支配者らが1829年に禁止するまで、献身的な愛情行為とみなされていた。
 その後も1987年には、数千人が見ている中、若い女性が夫の火葬の火の中に身を投げて自殺する例があり、インド政府はサティを美化することを禁止するなど法律を厳格化していた。(Yahoo!Japan 10月13日 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081013-00000632-reu-int

ああ、やってしまうんですね。洋の東西を問わず、人の死に際して家族や臣下が殉死したり、奴隷を殺害して陪葬したりなんて話はあるし、大きな土木工事などで人柱を立てるために命を犠牲にするなんていうのは珍しくもなんともない。ただ、歴史が進行する中でそれに対抗するような説話または史実なんてのができることが多いんだけどなあ。例えばこれは説話だろうが、三国志諸葛亮が川の神に人身御供を供える代わりに饅頭(マントウ)を供えた話とか。または、時の政権が抑止をかけるとか。江戸時代初期に主君に殉じて切腹というのが流行してしまった*1ときには、幕府が公に殉死を禁止することで歯止めがかかったし、サティだってムスリムムガール帝国の時代にはなんとか押しとどめようと時の政権は努力してたみたいですね(ウィキペディアでの確認だけで恐縮ですが)。
もっとも、これはニュースされるくらいなので現代では稀な事件であったと解釈すればよろしいのでしょうか。こんなことが現代のインドで日常茶飯事に行われているとしたら、さすがに問題だなあ。

*1:物騒な書き方だが、一族の名を上げるために殉死する武士も多く、「商腹(あきないばら)」などと揶揄された