周回遅れの『プラネテス』

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最近なんか本を読む根気がなくて、マンガばかり読んでいるのだが、数年前に読んだ『プラネテス』がとても面白いのにいまさら気づいてしまいました。『モーニング』に掲載されていたときは立ち読みの末に軽く読み流してたなあ。なんたる節穴、というか立ち読みゆえの見落としだったわい。しかし、なんともパワフルな作品…キャラクターが強いなあ。内容も作者が若いせいで4巻であっさり終わってるが、これ、慣れた漫画家なら10巻でも20巻でも膨らませられるモチーフだな。初作ゆえの作者の思い入れの強さをいやというほど感じるのもいいなあ。
2007年1月、中国が衛星軌道上の人工衛星をミサイルで撃ち落した際に、拡散する「スペースデブリ」(宇宙ごみ)が話題になったが、本作は近未来(2075年)においてスペースデブリ収集の専門業者が主人公というなんともリアルなSFマンガ。スペースデブリを前提にしたら、成立しない先行SF小説やアニメがいくらでもあるように、この問題が着目されたのはそんなに古くはないが、ここに着目できるだけでもすごいなあ。
ところで、主人公は最終話で木星に到達するのだが、たまの『さよなら人類』(今日人類がはじめて、木星に着いたよ)を思わず歌いだしたのは私だけではあるまい。微妙に話にリンクするところもあるし。