(メモ)上ノ郷城跡の発掘現場

昼からなんとなく電車でぶらっと蒲郡まで出て発掘中という話の上ノ郷城跡(蒲郡市神ノ郷町)まで行ってきました。ただし駅から現地までは徒歩で40分。自家用車を利用したほうがよかったかしら。
上ノ郷城は現在の蒲郡市中心部から見てちょうど北の方角にあり、蒲郡から山を越えて東海道で岡崎の手前にある本宿に出る街道の脇にあります*1。城主の鵜殿氏は鎌倉以来の在地勢力です。さて、城跡の現況はといえば、住宅地と果樹園が入り混じる扇状地の中の小さな丘として残っています。規模は主郭・副郭合わせて東西に200m、南北に150mと貴人まりとした規模。おそらく廃城後に丘の上まで(おそらくはじめは畑、のち)果樹園にされちゃったようで、石組みや土地の削平がなされていて、主郭と副郭・副郭を囲む土塁の存在はわかってもなかなか16世紀当時の想像は難しそうです。
発掘は主郭でやってました。蒲郡市博物館の小笠原氏が一人でいろいろ計測してました。一言、二言話を聞いただけですが建物の基礎として土檀(どだん)が周囲にめぐらされているのを確認しているところということでした。ところで、どだん?土壇場という言葉はあるが、「だん」がつちへんときへんで違う。ググって見ると、中日新聞の記事としてちょうど上ノ郷城発掘記事が。

 その結果、30センチ大の石を直線状に並べた城の建物の基礎が見つかった。また、建物を築くために台状に整地して周囲に石組みを巡らせた高さ50センチの土檀(どだん)も確認された*2

確かに石組みを「土」檀?と思ったが、用法として正しいらしい。他のグーグルのお寺の土檀についても、石組みのものもあるし。一つ勉強になりました。しかし新明解国語辞典にも広辞苑にも載っていない…特殊な建物用語なのかな。
(2/22付記)諸橋大漢和を見たが、「土檀」という熟語を採録してなかった。ついでに『日本城郭体系』別巻Ⅱ*3にある城郭用語辞典も見たが、ない。日本独自の建築用語かなあと思うが、何を調べればわかるのでしょうか。このブログを通りかかった方でご存知の方、ぜひともご教示ください。

*1:旧街道と現在の県道73号ではルートがかなり違うが、上ノ郷の近くを通る点では変わりはない

*2:http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20070211/lcl_____ach_____005.shtml 中日新聞2007年2月11日

*3:平井聖・村井益男・村田修三編、創史社、1981.5刊