トヨタの期間工と人生の再チャレンジ

私が地元に戻って2年半だが、ふと気づくと三河田原駅から続く一本道を歩いていく若い人をよく見かける。何かと思えば、数キロ先のトヨタの寮に向かっているのだった。鉄道もなければバスも一日数便だし、トヨタの寮は自家用車の保持を禁じている。
私の仕事場にも、期間工の方はおおくいらっしゃる。私と同年代またはやや年上の方がよくいらっしゃる。事務的な話しかしていないながら、コミュニケーション能力の豊かな方も、深い知識を持った方もいらっしゃるのはわかります。ただ、疲れた顔をなさっていて、話し方が気後れ気味な方が多いかな。
働いてみてよくわかったが、働くということは「その仕事に適した形で体の動かし方を覚える」ということであり*1、そういう見方をすれば確かに企業が新卒を求める気持ちはよくわかる。年を取ればとるほど、いらん知識がつけばつくほど「体の動かし方」を覚えるのは難しくなるだろうから。また、残念ながらフリーターの仕事と正社員(または正職員)とは仕事の質も責任も違うことで身につくことものの差は確かにあり、それは就業年数が違えば違うほど差が出てくる。30近くまでフリーターをやっている人が苦しくなるゆえんですね。
トヨタ期間工の中には高卒・大卒時の就職活動に失敗し、その後の人生もうまくいかずにそのまま来ている人も一杯いる。でも、彼らの浮かぶ瀬はそんなに一杯ある…の?現在22歳で就職活動にさほど不自由していない彼らほどに。
まあ人生そんな平等じゃないんでしょう。太平洋戦争のとき若者だったら、選択の余地なく討死の可能性も高いわけだから。でも、自分の世代そのものが食らっていることだからというのもあるが、「こういう世の中だから」で打ち捨てすてたくないですね。
ところで、若者が少なくなっている過疎自治体のみなさま。どうですか、前途有望な若者をハンティングしに愛知県田原市にいらっしゃいませんか?期間工の単純労働に耐えられれば、農業も林業も大丈夫ですって。

*1:とよくわかってないくせにフーコーをぶってみる