ナンデムン焼け落ちる

http://headlines.yahoo.co.jp/?a=20080211-00000651-reu-int.view-000Yahoo!Japan より)

韓国を代表する木造建築で、国宝第一号にも指定されていたソウルの崇礼門(いわゆる南大門ですな)が2月11日、火災のために焼け落ちてしまいました。韓国人にとって、14世紀末の李朝初期から、一貫してソウルのシンボルとしてあり続けた*1崇礼門を失った喪失感は、想像して余りあるものがあります。
日本人として思うならば、昭和25年(1950年)の金閣寺舎利殿焼失時に勝るとも劣らない…いや、勝りそうですね。現在の日本の文化財で、これだけわかりやすく国家の象徴みたいなものって、なさそうですね。なお、放火が原因として疑われることもあり、現在韓国では警備の甘さを問う声が強いようですが、日本にとってこれは他山の石ですね。大事件があると、その模倣犯が必ず出るものなので、特にしばらくは警戒が必要でしょう。京都御所みたいにお堀に入っただけで「入るな、出ろ」という自動放送*2が流れるようなむやみに厳重なところもあれば、一方でほったらかしに近い文化財の多いこと多いこと。まあ、木造というのはいつかは燃えるか腐る定めではあるのですが。
なお、韓国文化庁によると、崇礼門は2006年に実測図面が撮ってあったため、復元可能。日本円で22億円ほどかかり、2−3年の歳月が必要とのことです。韓国の文化財に対するお手前、見せてもらいましょう。
いやあ、でも、韓国史に詳しいわけではないですが、すごく寂しいですね。歴史好きの一人として、いや、人として強く喪失感を覚えてしまいました。

*1:ウィキペディアには李朝時代から今日焼け落ちるまでの写真があります。こういう簡単な情報をぱっと見たいときには本当に役にたつようになったものです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B4%87%E7%A4%BC%E9%96%80

*2:恥ずかしながら経験あり。