さらにおまけ(死体の処理について)

原作の原作の小説の話では戦闘後に主人公にして墨家の革離は疲れきった兵や農民に敵味方問わず必ず戦死体の埋葬をするように命じていました。理由は簡単で死体の放置はそこからもろもろの伝染病を発生させるリスクがあるからです。それが映画になると趙将が自軍の兵を鼓舞させる際に曰く「敵軍は死体をほおり捨てて放置している*1」と。死体の早期処理は戦のイロハのイのような…なんか原作よりショボいぞ、墨家。まあ冬至の前後の趙燕国境なら終日氷点下で腐りゃしないからまあいいやということでしょうか*2

*1:こういう鼓舞法自体は史実にもないわけではなく、『史記』田単伝には斉の将軍・田単は籠城戦時に敵軍にうわさを流して「わざと」城外にある領民の墓を敵に焼き払わせた。土葬という埋葬習慣しかない領民はご先祖の死体が焼かれたことに激怒し、士気はむしろ上がったという話がある

*2:実際の趙燕国境の近く、例えば現在の河北省の省都・石家荘は12月初めにはには連日真冬日になるそうです。映画にヒロインが水に首までつかるシーンがあるが、溺死リスクもさることながら凍死リスクも高そうだな