NHK大河『風林火山』と乱取り!

{{別に歴史モノだからといって「歴史学」を踏まえてやれなどとはいくら私がおばかさんでも思っておりません。それだけは理解を賜った上で以下は読んでほしい…なあ}}

なんだかんだいって「歴史モノ」という理由だけで小学校のとき以来NHK大河ドラマを見続けてます。で、今回のもあまり期待せずにそれでも見たのですが、初めの20分で「おお」と思ってしまいましたよ。「乱取り*1」や「兵になって略奪をしなければ食っていかれない」などのセリフ。先ごろ読んだ藤木久志『雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り』(朝日新聞社、1995年)をほうふつとさせました(売れてる本ですし、そう思った人は100人以上はいるはず)。こういった戦国時代における戦場と民衆というテーマ自体が深まりだしたのもこの20年くらいに過ぎないのですが、山本勘助という史実がほとんどわかっていない人物を使って、最新の研究を用いた戦国時代の民を描き出そうとするならとても面白そうですね。去年の大河のようにストーリーは平板、一豊のエピソードもあっちこっちの別の武将から拝借したもの*2という悲惨なドラマよりは期待できそうです。別にストーリー云々ではなく、戦国の雰囲気を出してほしいなあ。

ところで、ちょっと下の注にも書いたのだが、乱取りの激しさといえば永禄年間*3に関東にたびたび侵攻した際の上杉謙信の軍勢はなかなかえげつないのですが、それは描いていただけるのでしょうか?それも踏まえた配役Gacktなのでしょうか。ニヤニヤしながら期待しております。

*1:柔道用語ではなく、ここでは戦国時代に足軽などが敵地で略奪行動を繰り広げること。それはモノにとどまらず、ヒトにも及ぶ。上杉謙信常陸小田城(茨城県つくば市)を落城させた際に人身売買の市場ができ、二束三文で人が売られていったとか、天正13年以降の島津の九州平定戦の島津勢の略奪のすさまじさなど、明確な記録に残っているものだけでも枚挙に暇がない。ただこういう事象自体に1980年代まで史学界でもあまり注目がいっていなかったそうな

*2:エピソードを奪われた人物としては、竹中半兵衛黒田長政佐竹義宣

*3:1558-1570年