初めてヨーロッパを意識させてくれた本

高校時代から歴史が好きで、大学は中国史を専攻した私ですが、ヨーロッパというのが一貫して遠い存在で、何も興味のとっかかりがなかったのですごくうといままでした。そこへこういう本を読む機会が。
田豊之著『肉食の思想』(中公新書、初版はS41)
日本人の食生活における高い穀物依存(昭和41年なので現在よりもはるかに高い)からひっくり返してヨーロッパにおける「肉食」を大きな基点として、風土・歴史・コミュニティなどから「ヨーロッパ精神の再発見(副題より)」を行う。40年以上たった現在でも非常にすごく新鮮に読めました。ヨーロッパを考えるとっかかりには本当にいい本です。せめて大学のころに読んでたらなあと心から後悔しました。和辻哲郎『風土』は高校生のときに背伸びしてたいして理解も出来なかったが、読み直してみようかな。無知を懼れずに書けば、「ヨーロッパとアジアにおける動物と人間の認識差」ってのは、現在の動物愛護論にも、フーコーレヴィ・ストロースにもつながっていく(のかな?)重要なテーマですしね。
ところで、この本が刊行されたときの反響ってどうだったんでしょうかね?いろんな意味でただではすまない内容だと思うのですが。教えてくださるかたがいればありがたいです。